スコトーマ研究室

なぜ見えていないことに気付かないの?

そもそも、スコトーマって何?

スコトーマは、もともとは「盲点」を意味する言葉です。
ここではもう少し広く、
そこにあるのに、自分には見えていないもの
くらいに捉えています。
私たちは、目に入ったものを
全部そのまま認識しているわけではありません。
必要だと思ったもの
気になっているもの
自分に関係があると思ったもの
そうした情報を拾いながら、世界を見ています。
だから、目の前にあっても認識に上がってこないものがある。
それが、ここで扱うスコトーマです。

見えているのに、見えていないってどういうこと?

たとえば、毎日通っている道にある看板。
何度も前を通っているのに、
「そんな看板あったっけ?」
ということがあります。
目には入っていたはずなのに、認識していなかった。
逆に、一度その存在を知ると、
「あ、ここにもある」
「前からあったんだ」
と急に見えるようになることもあります。
つまり、目に入ることと、認識することは別。
私たちの世界には、そんな「
見えていたのに見えていなかったもの」
がたくさんあるのかもしれませんね。

なぜ必要な情報しか見えないの?

もし私たちが、目や耳から入ってくる情報を
すべて同じように受け取っていたら、
たぶん、とても疲れてしまいます。情報過多で。


人の表情
文字
匂い
体の感覚。
周囲には、ものすごい量の情報があります。
その中から、
今の自分にとって重要なもの
を選びながら認識している。
だから、ある意味では見えないものがあること自体は
とても自然なことです。
問題があるとしたら、
何を重要だと判断しているのかを、
自分ではあまり意識していないこと。

じゃないでしょうか。
そこがまた面白いところです。

見えていないものには、どうやって気付く?

見えていないものを、自分だけで見つける。
これは、なかなか難しいことです。
だって、
見えていないこと自体に
気付いていないのですから。

そんなとき、人と話したり、知らない場所へ行ったり、
いつもと違うやり方を試したりすると、
「あ、そんな見方があったのか」
ということが起こります。
自分とは違う視点に触れることで、
今まで認識に上がってこなかったものが見えてくる。
スコトーマを外すというより、
見える範囲を少し広げてみる。
そんな感覚の方が、
この研究室には合っている気がします。

ゴールが変わると、見えるものも変わる?

たとえば、引っ越しを考え始めた途端に、
街の「売家」の看板が目につく。
旅行を計画し始めたら、
その土地の情報ばかり入ってくる。
新しいことを始めようと思ったら、
今まで気にも留めなかった人や場所が
急に気になり始める。
世界が突然変わったわけではありません。
自分にとって重要なものが変わったことで、
見える情報が変わった。

そう考えることができます。
では、自分にとって何を重要と位置するべきなのか。
その話は、次の「ゴール研究室」につながっていきます。

スコトーマって、なくした方がいいの?

スコトーマという言葉を知ると、
「じゃあ、全部なくせばいいんだ」
と思うかもしれません。
でも、すべての情報を同時に認識することはできません。
何かを見るということは、同時に何かを見ないことでもあります。だからまず考えるべきは、
スコトーマをなくすことではなく、
自分が何を見て、何を見ていないのかということに

ときどき気付くこと。
「自分には、まだ見えていないものがあるかもしれない」
そう思えるだけで、世界の見え方は少し変わります。
そして、
これから何を見て生きていきたいのか。
そこまで考え始めたら、次はゴール研究室の出番です。