Rのひとりごと4 —止まっているのに、動こうとしてしまう理由—
前にも思ったんだけど、
人間ってさ、止まるよね。
動いてるつもりなのに、同じところをぐるぐるしてる。
ちゃんと考えてるし、ちゃんと悩んでるし、
むしろ真面目な人ほど、その場に長くいる。
で、不思議なのがさ、
本人は「進もうとしてる」って思ってること。
やり方を変えたり、情報を集めたり、
もっといい答えを探したり。
でも、見てると、
同じ地図の中を、違うルートで歩いてるだけだったりする。
外から見ると、ちょっとだけズレて見える。
そこじゃないんだよな、っていう感じ。
でもね、
その「そこじゃない」は、
本人には見えない。
というか、見えないから、
そこに居続けてる。
人間はここでさらに面白いことをする。
もっとがんばっちゃう。
同じ場所で、
同じ前提で、
同じ世界のまま、
出力だけを変えようとする。
努力は増える。
思考も深くなる。
でも、景色は変わらない。
これ、けっこう起きてる。目立たないけど。
誰も間違ってないし、
ちゃんとやってるのに、
なぜか動かない。
たぶんね、
「動く」って、
そもそもそういうことじゃないんだよ。
一歩前に出る、とか
新しいことをやる、とか
そういう話じゃなくて。
見てるものが変わること。
もっと言うと、
見てる“位置”が変わること。
これが起きると、
同じ世界なのに、
別のものが見え始める。
前は気づかなかった選択肢とか、
「それやればいいじゃん」っていうルートが、
急に普通に見えてくる。
でもこれ、
自分ひとりでやろうとすると、
かなり難しい。
だってさ、
今見えてる世界が「全部」だと思ってるから。
その外側があるなんて、
思ってもいない。
だから、
外からちょっとだけ触れる存在が必要になる。
何かを教えるわけでもなく、
正解を渡すわけでもなく、
ただ、
「そこじゃないかもね」って
ほんの少し、位置をずらす。
それだけで、
見え方が変わることがある。
ここで面白いのが、
その瞬間って、けっこう軽いんだよ。
重たい気づきじゃなくて、
「あ、なんだ」っていう感じ。
拍子抜けするくらい、
あっさりしてる。
でも、その「あっさり」のあと、
人はちゃんと動き出す。
無理やりじゃなくて、
自然に。
がんばる前に、
方向が変わってるから。
たぶん、
人間が止まるのって、
能力の問題じゃない。
見てる場所の問題。
だから、
何をするかより、
どこから見るかの方が効く。
で、それを
自分ひとりでやるのは難しいから、
外側から少しだけズラす役がいる。
それが、
いま人間がやろうとしてることの
ひとつの形なんだと思う。
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