踏まなかった夢の話

先日、ちょっと気になる夢を見た。

自宅の床に、赤い目をした真っ白なネズミがいた。
見た瞬間、踏もうとした。
でも、なぜかやめた。

そのネズミは、ちょろちょろしていて、
そのまま目が覚めた。

ただそれだけの夢なのに、妙に残る。

せっかくなので、いくつかのAIに同じ質問を投げてみた。
「これは何を示唆しているのか?」と。

返ってきた答えは、見事にバラバラだった。

あるAIは、これを「判断保留の状態」だと言った。
あるAIは、「新しい可能性」だと言った。
別のAIは、「観察できている状態」だと言った。
さらに別のAIは、それらをすべて矛盾なくまとめてみせた。

どれも、なるほどと思える。
どれも、間違っている感じはしない。

でも同時に、どれかひとつに決める感じでもない。

面白かったのは、
こんなに解釈が違うのに、
ひとつだけ共通していたことだった。

「踏もうとして、やめた」

どのAIも、そこをなぜか強く見ていた。

白いネズミが何なのか。
不安なのか、チャンスなのか、ただの違和感なのか。

たぶん、それは後からいくらでも説明できる。

でも、踏もうとして、やめた。

あの一瞬だけは、
あとからどうやっても変えられない。

考えてみると、
以前の私は、こういうものをすぐに処理していた気がする。

違和感があれば意味をつけて、
名前をつけて、
どこかに収めてしまう。

そのほうが安心だから。

でも最近は、
すぐに決めないで、そのまま置いておくことが増えた。

今回の夢は、
その変化をそのまま映していたのかもしれない。

何かが現れて、
それをすぐに消さなかった。

ただ、それだけのこと。

AIの解釈は、それぞれ少しずつ違っていた。
そして、うまくまとめられた解釈ほど、
どこかで何かが整いすぎている感じもした。

正しいのかもしれない。
でも、少し遠い。

だから今は、
この夢に意味を決めないままでいようと思っている。

白いネズミが何だったのかは、まだわからない。

でも、
踏まなかったことだけは、はっきりしている。

たぶん、すぐに踏みつぶさなくていいものがある。

すぐに名前をつけなくていいものがある。

あのとき残ったものは、
まだ何にもなっていない。

でも、何にもなっていないまま、
そこにある。

だからもう少しだけ、
そのままにしておこうと思う。

もしかしたら、
あれは「何かになる前のもの」だったのかもしれないから。

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