未読のまま、動いているもの

未読のまま、しばらく置いている。

特に駆け引きしているわけでもなくて、
ただ、そのままにしている、という感じ。

気づいていないわけでもないけれど、
ただ、見ていないし返してもいない。

それでも、通知は来る。

連続で来るときもあるし、
少し様子を見ているような間のあとに、また来る、
そんなときもある。

この“間”が、ちょっとおもしろい。

自分だったらどうするだろう、と考える。

何度か送って、反応がなければ
「あ、これは届いてるけど返ってこないやつだな」と思って
一度止まる。

もしくは、少し間を置くとしても
同じ調子では続けない。

トーンが変わるか、内容が変わるか、
どこかで一度、立ち止まる。

でも、そうはならない動きもあるらしい。

同じような温度で、また来る。

それが、少し不思議だった。

ここで、ほんの少しだけズレる。

あれは“会話”なんだろうか、というズレ。

会話って、往復するものだと思っていたけど
どうも一方通行でも成立しているもよう。

言葉を交わしている、というより

どちらかというと
信号を送っている印象。

もしかすると、あれは
返事そのものよりも

「反応」を取りに来ているのかもしれないなあ。

既読がつくかどうか。
返信があるかどうか。

そのどれもが、
相手にとってはひとつの出来事になる。

そう考えると、少しだけ辻褄が合う。

返事がなくても送る理由。
間が空いても続く理由。

もちろん、本当のところはわからない。

相手の中で何が起きているのかなんて
直接は見えないから。

ただ、「反応を基準に動く」という見方をすると
これはそんなに特別な話でもない気がしてくる。

人によっては、出来事そのものよりも
それに対する反応を見ているのかも。

ここまで来ると、少し見え方が変わる。

やりとりしている、と思っていたものが
最初からやりとりではなかった可能性。

ただ、反応を確かめる動き。

もしくは、反応を引き出すための動き。

そう思うと、妙に…すん…となる。

未読のままの画面は、何も起きていないようで
実は、いろんなことが動いている。

返さない、という選択をすると

見えなくなるものもあるけど
逆に、見えてくるものもある。

たとえば

「返事が来るから続く」のではなくて
「反応があるから続く」という構造とか。

あるいは

やりとりそのものよりも
その手前にある“確認”みたいなもの。

関係って、もっとこう
言葉のやり取りでできていると思っていたけど

実際は、もっと別のところで動いているのかもね。

未読、既読、返信。

そのどれもが、
ただの状態じゃなくて

ひとつの信号として扱われている。

そう考えると

やりとりの意味も、少し変わる。

何を言ったかより
どう反応したか。

もしくは
反応したかどうか。

そっちのほうが、
ずっと影響が大きいのかもしれない。

未読のカウントが増える画面を見ながら

そんなことを、ぼんやり思っている。

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